キャラクターのモデルデータが完成し、アニメーションさせるためのセットアップ(リギング)で最初にやるのがスケルトン設定(骨入れとも言う)です。この後に来るウエイト調整に比べると簡単に思えるかもしれませんが、この段階はキッチリカッチリやらないと後々余計なやり直しが発生する可能性があります。そういったやり直しが発生しないためのルールとコツを説明していきます。
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ジョイントの位置
ジョイントの位置はセットアップの工程において最も重要です。ここでミスるとどんなにウェイト調整をしてもうまくいきません。気をつけるべき点は以下の通りです。
- ジョイントは必ず関節の位置に!
- 基本的には関節の中心に
- IKリグを設定する場合は少し曲げておく
- できるだけ頂点の上、もしくは、頂点の垂直線上に!
- 解剖学的なジョイントの位置
- 仕様を考えたときに骨の数は適切か
- ジョイントの親は適切か
ジョイントは必ず関節の位置に!
当たり前ですがジョイントが関節の位置からズレしまっていると、どんなにウェイトを調整しても正しく曲げることはできません。若干のズレでもデフォームが上手くいかない場合もあります。
基本的には関節の中心に
胴体だろうが腕だろうが基本的にはその関節の中の中心にジョイントを配置します。肘や膝のように曲げたときに尖る方にジョイントを寄せることによって鋭角さを出すことができますが、寄せすぎてしまうとIKなどで引っ張ってジョイントが真っ直ぐになったときに関節が逆方向に折れたようになってしまいます。
IKリグを設定する場合は少し曲げておく
腕や脚はこのあとの工程であるリグ設定でIKを設定することが多いです。例えば、手のリグ(コントローラー)を移動させたとき、その間にある肘を自動計算し曲げてくれるというものです。このとき肘が完璧に真っ直ぐの状態ですと、自動で肘を曲げたときカクッっという動きが入ってしまいます。モデル的に肘を伸ばした状態のポーズであってもスケルトンは若干曲げた状態で配置しましょう。
できるだけ頂点の上、もしくは、頂点の垂直線上に!
これはモデルがローポリの場合に大きく影響します。例えば、ローポリスカートモデルの頂点の間にジョイントを配置したとします。イメージとしては鋭角に持ち上がってほしいのに鈍角になってしまったり、曲がってほしいところで曲がらない、シュミレーションでコリジョンを設定しても頂点からジョイントが離れているため減り込みが避け辛くなったりします。
解剖学的なジョイントの位置
人型もしくは動物のキャラクターの場合、解剖学的な(実際の)骨の位置を参考にします。哺乳類などはその骨がどこを基点に回転して、どの方向に曲がるかを理解して骨を配置しないと正しいアニメーションをすることができません。
仕様を考えたときに骨の数は適切か
「どこを動かすか」「滑らかに動かすにはジョイントの数は足りてるか」「コリジョンで当たり判定をとるために骨の数は足りているか」「服や小物付いている場合、別にスケルトンを割り当てた方が自然な動きになるのでは」など、装飾が多いキャラクターはそういったスケルトンの設定を考える必要があります。
ジョイントの親は適切か
キャラクターの服や装飾、胸のスケルトンなどは分岐元が悪いとあまりいい動きをしません。一概にどこがいいとは言えませんが、可動させたいメッシュが接合していて、そのメッシュに強く影響しているジョイント(簡単に考えるなら一番近いジョイント)にペアレント化すると大体上手くいくと思います。
ジョイントの配置が終わったらフリーズ
[修正]>[トランスフォームのフリーズ]>[□オプションボタン]を選択します。配置したジョイントを全て選択した状態で、[トランスフォームのフリーズ]を実行します。オプションは[回転]と[スケール]にチェックを入れ、[ジョイントの方向]のチェックを外します。
これにより回転値は[ジョイントの方向]に変換され、オフセットされます。[スケール]は全て1に設定されます。
ジョイントを配置し、その最初の状態がベースのポーズになるため、回転値が入っている場合は「トランスフォームのフリーズ」で0に変換します。