モデリングの仕事で提灯を作ったので、試行錯誤した光の表現方法を紹介します。
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中から光って見える色味
どんな方法で表現するにしても、まずはどういう見え方になっていれば光っているように見えるかということを理解しなければなりません。
薄い紙がロウソクの明かりで内側から照らされたときの色味
- ロウソクの明かりで内側から照らされると、紙の表面は光源から白→黄→赤とグラデーションになる。
- 光源から遠くなるにつれ明度が下がる。
- 光源はほぼ明度マックス
- 紙が白の場合、光源から遠くなるにつれ紙の表面の色が強くなるので、彩度も下がる。
- 文字や中の枠は影になるが、真っ黒ではない。光の伝わりや拡散で赤みがかる。
グローの表現
光っているものには必要となる表現です。ロウソクくらいの小さい明かりで照らされた紙の表面となるとほとんどグローは発生しないと思いますが、強調するために少し入れてもいいかもしれません。
Mayaで提灯の質感設定
基本的な質感設定
中から発光すると表面の陰影は限りなく小さくなります。これはLambertやBlinn、Phongなどの基本的なマテリアルで実装することができます。方法としては以下の通りです。
- Colorにカラーテクスチャ+Ambient Color:1+Diffuse:0
もしくは、
- Incandescenceにカラーテクスチャ+Diffuse:0
※レンダリングはmentalrayです。
ベースの色味
上記の通り、カラーテクスチャで基本の灯りの色をのせます。
コツとしては、黄色寄りのオレンジ色から赤色寄りのオレンジ色の短い幅でグラデーションをのせ、薄い黄色から黄色の丸い光を描きます。
※以降の画像はMaya側の設定ではなく、カラーテクスチャのみで表現しています(グローはMaya設定ですが)。
和紙の濃淡を加える
和紙のような紙だと、所々厚みが違ったり、繊維があります。中から光が透過するときに、それが影になります。
コツとしては、光源の近くだけフラクタルノイズをのせると、それっぽくなります。
竹ヒゴと紙の接着面の影
提灯を形作る竹ひごの輪と貼り付けた紙の重なりの影をのせます。
コツとして、影は真っ黒ではないということです。また、竹ひごの影も若干ぼかします。
また、光源から遠くなるにつれ、影を薄くするとよりリアルになります。
グローをのせる
光ってるものは基本的に設定します。ただ、提灯の場合は灯りが弱いので、あまり着かないのですが、強調のためにつけるのも良いかもしれません。
グローの設定は、同じアトリビュートの中にSpecial Effectsという項目があり、Glow Intensityに値をいれることで設定することができます。
まとめ:他のソフトでも
自己発光のような陰影をつけない設定は、大抵のソフトであるので、同じように表現することができるはずです。
中にライトを置いて、良い感じの色味を出せるソフトはないので、これがベストかと思います。