超入門!3DCGを始める前に知っておきたい制作の全容

アニメや映画、ドラマなどさまざまなところで使われている3DCG。

目にすることはあっても、意外とその作り方を知っている人は多くはありません。

今回は3DCGを仕事としてやっていきたい人、または、3DCGとはなんぞやという人のために、制作の全容を簡単に説明していきます。

作品ができるまでの作業工程

3DCGで動画・静止画作品を作るためには、いくつかの作業工程があります。

例えば、ダンボールでロボットを作るところをイメージするとわかりやすいと思います。

以下がその工程です。

 

  1. モデリング – ダンボールでロボットを形作る作業です。
  2. UV展開 – 一回ダンボールを平たく開き、表面に貼るシールの型紙を作ります。
  3. テクスチャリング– 型紙に合わせて模様を描き、シールを印刷します。シールをロボットに貼ります。
  4. 質感設定 – これは少し例えづらいのですが、ものの材質がザラザラなのかツルツルなのかなどを設定します。
  5. ライティング – 完成したロボットにライトを当てて見栄えを良くします。
  6. エフェクト – ロボットから炎や水を出します(まあ、無理ですね)。
  7. レンダリング – ロボットの写真を撮り、現像します。
  8. コンポジット – 撮った写真を合成・加工します。

 

アニメーションするなら、上記工程1または4の後に以下が入ります。

 

  1. 骨入れ – ロボットを動かすために、木材で可動する骨組みを作ります。
  2. スキニング – 骨組みをロボットに固定します。
  3. リギング – 骨に持ち手を作る。もしくは、骨に機械を仕込み、コントローラーを作ります。
  4. アニメーション – ロボットを動かしながら、芝居を設定します。

 

制作に使用するソフトウェア

上記工程に使用するソフトはいくつかあります。ある分野に秀でたものやある表現をする為に特化したものなどがあります。実際の制作ではそれらのソフトを臨機応変に使い分けていきます。その中でもメジャーなソフトを紹介していきます。

 

  • Maya – 実際の制作の現場で多く使用されているソフトウェア。テクスチャ作成以外は全て行えます。
  • 3ds Max – Mayaと同じくほとんどをこれで行うことが出来ます。それぞれ特徴が違うので場合によって使い分けます。
  • ZBrush – 粘土をこねるようにモデリングが出来るソフト。今のリアルなCG制作には欠かせない。UV展開やテクスチャリングにおいても優れている。
  • PhotoShop – 画像編集ソフト。テクスチャ作成に使用します。
  • MotionBuilder – アニメーション専用ソフト。動作の軽さや人キャラや4つ足キャラのアニメーションをつける上での操作性の良さなどが特徴。
  • Substance Painter – 3Dモデルに直接ペイントし、テクスチャを作成する。平面で描くより楽で、リアルなテクスチャ作成に向いている。ただPCスペックが必要。

 

3DCG業界の職種

3DCGの制作には大変な手間がかかります。上記に説明したような作業工程ひとつひとつにおいても、それぞれが時間と手間を必要とする上、奥の深い作業です。そのため、それぞれの工程での作業は職種によって分担されます。

モデラー

モデラーは大抵の場合、モデリング、UV展開、テクスチャリング、質感設定、ライティング、レンダリングまでをやります。また、モデラーの中でもキャラ&小道具担当、背景担当、メカ担当など得意分野で分かれる場合があります。

2Dアーティスト

キャラクター・背景・小道具のデザインやコンセプトアート(世界観を説明するための絵)制作、絵コンテ制作など、主には3DCGの制作を始める前の工程を担当する。モデラーはこれらのデザインを元にモデリングをします。

リガー

骨入れ・スキニング・リギングまでを担当します。作成したキャラクターを動かすための仕組みを設定します。地味ですが、アニメーションの付け易さやビジュアルにも関係してくる、やりがいのある作業です。

アニメーター

キャラクターのアニメーションを担当します。動き一つでそのキャラクターの性別・年齢・性格・感情などを表現するとても奥の深い作業です。

モーションキャプチャースタッフ

現実の人間や動物の動きをキャプチャーし、キャラクターのアニメーションに落とし込む作業をします。主にはキャプチャーした荒いデータをクリーンナップし、キャラクターに合わせた動きに調整するまでをやります。最終的な動きの調整はアニメーターがやります。

エフェクトアーティスト

爆発、火、煙、液体、物体の破壊などのエフェクトを作成します。これらの効果は主に作品を盛り上げる役割をします。それぞれの表現は沢山あるパラメーターを複雑に調整して作成するため、大変時間のかかる作業です。

コンポジター

3DCGでレンダリングしたものは画像素材として書き出され、それらの画像素材を最終的に重ね、色調整や効果をつけて絵作りをします。3DCGソフトで表現できるものにも限界があるため、ここで2D的に最終的な絵にする。

エンジニア

3DCGの作成に役立つツールを作成します。主には作業を効率化するためや手作業によるミスを無くすためのツールを作ります。C++やPythonと呼ばれるプログラミング言語を記述して作成します。



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